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11.09@安倍奥八紘嶺


『ピクニックでもトレッキングでも無い!これは登山・・・登山だ!!』



登山口へ向かう際に立ち寄ったコンビニにて、笑顔でお菓子やら何やらを大量に買い込んでいた男が復路の急勾配で言い放った言葉・・・。
今回この男がどうゆう経緯で連れて来られたのか、そしてこの登山で何を感じたのか・・・僕には分からない。しかしこの一言で男の"クライミング魂"に火がついたのでは無いかと僕は推測する。
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今回登って来たのは南アルプスの南端、標高1918mの安倍奥八紘嶺。天気が良ければ富士山や南アルプスの山々が綺麗に観られるようだ。

とりあえず登山口までは視界が利いて紅葉も色鮮やだったが

入山したとたん雲の中へ。これが本当の"五里霧中"。


ガスで先が全く見えない状態で急勾配を登る。今回が初登山となる奴らは無限回廊にでも迷い入った気分であっただろう。


小休憩。1/3くらい登ったと思われる。ここの登山口まで車で来たのだが・・・訳あってこれより下から登る事に。そしてここで遥か後方から来たオバチャン達の団体様御一行に抜かれる。一仕事終えてグッタリしている僕達の横をギャーギャーとでかい声でしゃべりながら通り過ぎるオバチャン達・・・あれは妖怪の類いに違いない。


再び無限回廊へと旅立つ。相変わらず景色は全く見えないが、雲の中で見る紅葉も幻想的で美しい。別世界にでも迷い込んだ気分。


標高が2000mも無いから紅葉でも見ながらのんびりと・・・なんて呑気に構えていたのだが実際はピークまで急斜面が連続して続くハードコース。そして標高が上がれば当然気温も下がり、紅葉地帯は終わりを告げ景色は晩秋から初冬へと装いを変えてゆく。


さらにこの辺りには少し踏み外せば数10mは滑落しそうな危険な箇所もいくつかあった。勿論ロープは張ってあったが濃いガスで分かりにくい。『こうゆう場所で足を踏み外して滑落し、その結果が遭難へと繋がるんだな』と考えながら前進する。


とりあえず登りは僕が先頭を行っていた。疲れがピークに達したのか後方からの『まだ着かない?』『あれが頂上?』という声を頻繁に聞くようになる。僕自身この山を登るのは初めて。案内標識はほとんど無い。そしてガスで先が全く見えない。そんな中で『まだ着かない?』と聞かれても答えようが無い。とりあえず毎回『あと少し』と適当に答える。病は気からという事で。


やがてそれに気がついたのか『嘘でも良いからあと少しって言え』という声が空しく響く。後ほど聞いた話だと、僕が最後に『あと少し』と言ってから頂上に着くまでは約1時間かかったそうです。僕の言葉に希望を持った結果、ぐったりと憔悴したしきった男。


登頂開始から4時間強。やっと辿り着いた八紘嶺頂上1918m・・・感無量。


悪天候にもかかわらず山頂にて何組かの団体様御一行と遭遇。見た感じでは僕達がブッチギリで最年少だと思われる。ちなみに僕達は10人の団体。それより多い人数の団体様御一行も何組か居ました。そしてどの団体様御一行も30分ほど休憩しただけで風のように去ってゆく・・・凄まじい体力だ。山は妖怪の巣窟です。左後ろに見えるカラフルな方々も妖怪の類いに違いない。


そして疲れた体に温かい飲み物と温かい飯。山登り最大の楽しみは間違い無くこれだと思う。酒類を忘れたのが痛い。



【視界ゼロ】【気温2.3度】【雨時々みぞれ】死にかけていた男が極寒の山頂にて息を吹き返すの図。


ただ・・・やっぱり寒過ぎた。『山を嘗めるな』とよく言われるが今回は正直嘗めてました。静岡市街地の真冬と同じ気温です。もうワンランク上の防寒装備でも良かったなと反省。雨脚も強くなってきたので頂上から撤退。


ひたすら下る。無言で下る。


一時休憩・・・この先写真なんてほとんど撮らずに無心で登山口を目指す。










無心無言で一気に駆け下りた結果、復路は2時間強でやっつけた。その後、登山口でもある梅ヶ島温泉のお食事処にて生ビールとおでんと鹿刺と・・・色々。本当に美味い生ビールだった。余りにも気分が良くなりすぎてカメラの存在をすっかり忘れる。そのため宴会の写真は無し。




そして生ビールを飲み干した後、2分で気を失った強者が約二名・・・猪の夢でも見ていたのでしょうか。






初めて大人数での登山でしたが本当に楽しかった。最初はどんな感じになるのか未知数の部分もあったが、ペースに合わせて小隊を組む事で全員無事に登頂する事が出来た。そしてその差もたった15分、みんな本当によく頑張ったと思う。
今年の登山(雪無し)はこれで最後となると思うが、この活動が次のシーズンへの足掛かりとなり3000mの頂きへと繋がれば良いなと勝手に思っております。
本当にお疲れ様でした。

yuu by 今回の主役



掲載されなかった写真はコチラから観覧する事が出来ます。



そして今回の発案者でありみんなをまとめ上げた秋山君、色々な準備やフォローをありがとう!!本当に楽しい登山でした。彼のblog『SPROUT』でも登山の様子が紹介されております。
それと同行した写真家のstone氏がファインダー越しにどんな世界を見ていたのか楽しみです。stone氏のweb siteはコチラです。お仕事募集中なのでweb siteを観覧して気になった方はコンタクトを取ってみて下さい。




以上nomad's reportでした。